中卒の年収 平均は? 1000万円以上の高収入を得るには? 高卒との差は?

中卒のまま働き始めるとして、もっとも気になるのは「年収は一体いくら稼げるのか?」という点。ここでは、中卒の人が得られる年収や、学歴による差などを解説します。

中卒の平均年収

まずは厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」を見て、中卒一般労働者の平均年収を算出してみました。

すべての業界、年齢、男女などをまとめた上で出された中卒一般労働者の平均年収は3,683,900円という数字でした。

「意外に悪くないんじゃない?」と思うかもしれません。
確かに、大卒の人でも年収300~400万円が珍しくないと言われる昨今、悪くないように見えます。

しかし、この数字にはカラクリがあります。

このデータは「一般労働者」の平均であって、アルバイトやパートなど、短時間労働者と言われる層は含んでいないということです。

中卒の人が、正社員になるのは簡単ではありません。
実際は正社員になれずアルバイトやパートなどで稼いでいる人が多くいます。
バイトでは賞与は出ないため、平均年収は大幅に下がります。

仮に、時給1,000円の人が1日8時間、月~金で働いたとすると、単純計算で月160,000円、年間では1,920,000円に過ぎません。

つまり、正社員になれない大多数の中卒の人の年収は200万円近辺で生活をしているというのが現実であるという事実は認識しておくべきでしょう。

中卒、高卒、大卒の生涯賃金差

ここでは、アルバイトやパートなどは考慮せず、正社員に限って、学歴ごとに収入の差が出るのかを調べてみました。

労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2015」によると、学校を卒業後すぐにフルタイムの正社員で働き始め、60歳まで働き続けたときの生涯賃金は以下の通りです(退職金は含まない)。

【男性】

中学卒 1億9千万円
高校卒 2億円
高専・短大卒 2億1千万円
大学・大学院卒 2億6千万円

【女性】

中学卒 1億3千万円
高校卒 1億4千万円
高専・短大卒 1億7千万円
大学・大学院卒 2億1千万円

中卒の場合、高校や大学卒の人よりも長く働くことになりますが、それでも生涯年収はもっとも低くなっています。

また、女性の場合はさらに状況が厳しくなるということにも着目しましょう。

中卒の人の代表的な仕事製造業や不動産営業の平均年収

一般的に中卒の人が就く仕事といえば、製造業や建設業、小売店の販売員などが一般的です。これらに加え、営業として学歴不問で採用してくれる可能性がある、不動産業の中卒平均年収を調べてみました。

【製造業】
3,762,500円

【建設業】
4,056,300円

【卸売業・小売業】
3,536,700円

【宿泊業・飲食サービス業】
3,148,700円

【不動産業・物品賃貸業】
3,966,300円

唯一400万円を超えたのは建設業でした。月々の給料もボーナスも他業種よりも多いという数値が見られました。

その他の4業種については、月々の給料にはそこまで大きな違いはありませんでしたが、ボーナス支給額の差が大きく、年収の違いが顕著になるという結果でした。

世間の平均を目指すために中卒から年収400万円を力仕事以外で得る

国税庁発表の「民間給与実態統計調査結果について」の最新版によると、日本人の平均年収は、415万円となっています。

しかし、中卒の人の平均年収はこれを大きく下回ります。
前項で解説した通り、中卒の人の多くがなる職業のうち、唯一建設業だけが400万を超えていましたが、それでも平均以下です。

細かくデータを見てみると、情報通信業、いわゆるIT企業は中卒であっても、年収は4,418,500円で平均を超えていました。

「じゃあ、IT企業に入ればいい」と思うかもしれませんが、IT企業に中卒で入るのは簡単ではありません。

厚生労働省の最新データでは、情報通信業で働いている人は全部で1,097,970人とされています。
その内、中卒の人は、なんと2,050人しかいないのです。割合にすると0,0019%です。

中卒の人がIT企業で働くためには、極めて高いスキルを持っていたり、強固なコネクションがあるなど、何らかのアドバンテージがなければ働くのは難しいでしょう。

現実的に考えれば、平均以上の年収を超えるためには建設業が一番近道です。

力仕事ができない場合は、製造業か小売業で正社員として長く勤務することで年収を上げ、平均以上を目指しましょう。

だいたい35歳前後で415万円を超えることが多いようです。

中卒で1,000万円の高年収は得られる?

不況と格差の広がりが続く日本において、1,000万円の年収を得ることは簡単ではありません。大手商社やマスコミ、医師、パイロットなど、一流大学を出ていても就くことが困難な仕事に就いてはじめて得られるような金額です。

では、中卒の人が1,000万円を超える金額を稼ぐにはどうすればいいのでしょうか?
極めて難しい問題ですが、当然可能性はゼロではありません。

ルートとしては、以下の2つが考えられます。

1.インセンティブを得られる仕事につく

インセンティブを簡単に説明すると、売り上げに応じて給料が加算されていくシステムのことです。営業職に多く、1件契約を取るごとに決まったお金が給料に加算されます。場合によっては売り上げた金額の何%かがインセンティブとして加算されることも。

中卒の人の場合、営業職として採用されるのも簡単な話ではありません。
しかし、不動産営業のほか、最近は太陽光発電などエネルギーに関する営業などは、中卒でも採用をするという企業があります。

そういう企業の中には、求人広告で「インセンティブで年収1,000万円も可能」などと謳っているところがあります。

実際にその数字に辿り着くためには、血の滲むような努力をしなければいけないでしょうし、心身ともに大きく疲弊することになるでしょう。

大変な道ではありますが、中卒の人が会社員という肩書で1,000万円を得るためには、ほぼこのくらいしか道はないと思っていてください。

2.独立・起業をする

自分で事業を起こすのは、学歴は関係ありません。誰でも同じスタートラインから勝負をすることになります。

中卒の肩書でIT企業を立ち上げ、やがて大成功を収めた人は実際に存在します。
そのレベルになると、年収は億です。

そこまでいかなかったとしても、年収1,000万円以上の経営者はそれこそゴロゴロいます。中卒の人でも事業を軌道に乗せられれば、達成できるかもしれません。

ただし、これにはかなりのリスクがあります。
当然、失敗すれば多額の負債を抱えてしまうのです。

学生でも起業をすることが珍しくない今、数多くのライバルの中から勝ち抜くのは容易ではありませんが、高年収を得るための道として起業があるということは覚えておくとよいでしょう。

[出典]:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」、労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2015」、国税庁「平成26年分民間給与実態統計調査結果について